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隣の芝生は青いだけ
脚本/演出 天瀬 晴香
もしかしたら。
結局私に、価値なんてものは、ないのかもしれない。
だって私が死んでも、地球は回るし、朝日は昇る。私を愛してくれる人達の、
明日が消えることはないし、人生が終わることもない。
かけがえのない、かけがえのある存在。
けど、価値って不思議なもので。
大好きなあの子も、誰かにとっては無価値で、大嫌いなあの人も、誰かに
とっては価値がある。
あの人といると私は無価値に思えるし、あの子といると私は価値があるよう
に思える。
曖昧で、見えなくて、でも確かにあって、誰も正解が分からないもの。
色々な見え方がするもの。私たちを振り回すもの。私たちを支えるもの。
ああ、私の価値ってなんだろう。
生きる価値ってなんだろう。
分からない。だから考える。考え続ける。
今回は、そんな人達の話。
『存在価値』がテーマの短編五本から織りなすオムニバス公演。
有象無象
大森は、地味で目立たない良い子だった。一方氷川は、教室で浮いている無愛想な一匹狼。
ある日の放課後、偶然教室で二人きりになる。
「『存在価値』の正体を暴く話」

大森役
氷川役


